こんにちは、歯科医師の南です。
今までブログに書き続けているように、『虫歯や歯周病の恐ろしさ』『汚れている口元は人に不快感を与える』、そうです、歯の病気にならないため、それと美しく健康的な歯を維持していくため。
その2点に尽きます。
口腔内常在菌のひとつにミュータンス菌がありますが、この菌は食物中の糖分を栄養にして繁殖し、ネバネバしたデキストランという物質を作り歯の表面に付着させます。
その中に色々な細菌がすみつきそれが歯垢となります。
通常の食生活において、糖質を口に入れないということはまずありえませんので、歯垢が出来てしまうのは仕方がありません。
歯に付着した歯垢は歯磨きでしか取れないのです。
また、歯垢だけではなく歯の汚れとなる「茶渋」であるステインも着色性の食品を摂ると付着しますこれが歯の汚れの原因となります。
「歯垢とステイン」この2つを除去することが歯磨きの主な目的となります。
ある医療施設で人間ドッグの受診者1万人に対して調査を行ったところ、肥満を抑えた要因の一つに「毎食後すぐの歯磨きの習慣」があったそうです。
食後の歯磨きを自分に課すことによって、「だらだら食べ」や「寝る前のちょい飲み、ちょい食べ」をやめるようになり、その結果、体重が減少したというのです。
確かに夕食の後すぐに歯磨きをすれば「せっかく綺麗にした歯を汚したくない』という気持ちが生まれることは理解できますよね。
それに歯磨きをすると一旦食欲は落ちます。
歯磨きを習慣づけることで「だらだら食べ」をストップさせ、その結果体重の減少が図れるのです。
また、脳が疲れた後にする歯磨きは脳を活性化させ、集中力を高めたり気分をリフレッシュする効果があることも研究で立証されています。
単純な計算作業を20分した後に歯磨きをするグループとしないグループにわけた際、歯磨きをしたグループはしないグループに比べ、明らかに脳が疲労回復していることがわかったそうです。
昼休みに歯磨きをすると、口の中がスッキリするだけではなく、頭もスッキリするというわけです。