こんにちは、歯科衛生士の樋口です^^
今日は歯に影響を及ぼす炭酸飲料についてお話ししたいと思います。
“炭酸飲料は歯や骨を溶かす”と聞いた事があると思います。
実際に炭酸水に骨を浸しているとそのうちに溶けてしまいます。
炭酸水は弱酸性のため「脱灰」を起こすからです。
脱灰とは酸がリン酸カルシウム、リン酸マグネシウムを溶かす現象です。
ただしこれは、骨を炭酸水に直接浸した場合の現象であり、飲料として体内に取り込んでも骨に直接作用することはありません。
炭酸水は体内で材料の水と二酸化炭素に戻され、排出されるだけだからです。
なので、炭酸水を飲んで骨が溶けるという心配は必要ありません。
ただし、炭酸飲料の飲み過ぎは体に良くない影響を及ぼすことがあります。
その一つに飲料に含まれている「砂糖」が原因になっています。
清涼飲料水には砂糖が含まれています。
私達が思っているよりもたくさん入っている商品も少なくありません。
砂糖の甘みは冷やすとあまり感じにくくなるので、冷たい清涼飲料水を飲む時にはそんなに甘くないように感じるかもしれません。
また、炭酸飲料は酸味料や炭酸の刺激によって甘みがサッパリ感じられるので、砂糖がたくさん入っていてもスッキリ感じるのです。
気の抜けたぬるい炭酸飲料を飲んでみるといかに甘ったるいかわかると思います。
砂糖は体内のカルシウムを奪って体内から排出させる作用があります。
そのため、砂糖を摂取しすぎると骨の含まれるカルシウムが奪われていき、骨が弱くなってしまいます。
また、炭酸飲料には「リン酸」が酸味料として含まれているものがあります。
リン酸は摂取しすぎるとカルシウムが骨に吸収されるのを阻害する作用をもたらします。
そのため、骨が丈夫になりません。
つまり砂糖、リン酸を含む炭酸飲料の飲み過ぎは、骨を弱くする可能性が高いということです。
また、ご存知の通り、砂糖は虫歯の原因になってしまいますので、砂糖を多く含む清涼飲料水を飲むと歯のためにも良くありません。
では、砂糖やリン酸を含まない無糖の炭酸水なら問題ないのでしょうか?
炭酸水は弱酸性により歯の脱灰を起こす可能性があります。
加糖のものよりはヘルシーですが、飲み過ぎると口の中が酸性に傾いて歯の表面が弱くなる可能性はあります。
*この場合の酸性とは、炭酸の酸ではなく、砂糖を含んだ飲食物をとると、プラーク(歯垢)中の細菌がその糖を養分にして、強い“酸”を出し、お口の中が酸性寄りになってしまう事です。
ちなみに酸が強くなる(㏗が高くなる)ほど、歯に影響を及ぼす可能性が高くなります。
酸が強いものにはコーラ、柑橘類、果物ジュース、酢、乳酸飲料、ワインがあります。
これらも飲む時は注意が必要です。
炭酸を飲むなら無糖の炭酸水がおすすめです。
ただし、歯のためには良くないので炭酸水を飲んだ後は口の中が酸性に傾かないように水で口をゆすぐなど気をつけましょう。