白く不透明な歯は初期虫歯の可能性が
「虫歯」と聞いたら黒く変色した歯だけをイメージする人がほとんどだと思います。貴方の口の中には他の歯と違って歯頸部が白く不透明な歯はありませんか?痛くないからって安心してはいけません。もしかするとそれは隠れ虫歯かもしれないのです。
白く濁ったような歯はミネラルが溶け出している状態で、痛みも感じられません。しかしそのまま進行していくと歯に穴が空いてしまい、削るなどの治療が必要になってしまいます。
実はその隠れ虫歯の段階だとしっかりとしたケアで健康な歯に戻せます。ミネラルが溶け出して不足している状態なので、ミネラルを戻すようにフッ素や、CPP―ACPペーストを塗布するなどのケアを歯医者さんでしてもらいましょう。そして、唾液の分泌を上げるようにガムを噛んだりして再石灰化を促すようにしましょう。
そうすれば虫歯を回避出来るかと思います。
歯の再石灰化について
歯(表面)の成分、特徴について
歯の表面(歯冠)はエナメル質に覆われています。このエナメル質は化学的にも非常に安定している物質であり、人の体の中で最高の強度を誇っています。
その成分の97%はハイドロキシ アパタイト(水酸化リン灰石)と呼ばれるもので、化学式ではCa10(PO4)6(OH)2と表されます。
再石灰化とは
唾液が歯垢内のpHを上昇させ、脱灰の反応が抑えられて、ミネラル(Ca2とHPO42-)の溶出を抑える。唾液由来のミネラルと溶出したミネラルの濃度が
高まると修復する反応が逆に進みます。この反応が再石灰化と呼ばれるものです。
ちなみにこの石灰化は外部からのカルシウムではなく、唾液に含まれる『カルシウムやミネラル』で起こります。
先の脱灰反応で失われたミネラルが修復されれば何の問題もないということです。
どうしたら虫歯になるのか
歯垢内のpHの低下によりエナメル質からカルシウムとリン酸が失われてしまいいくら『人体で最強の強度』のエナメル質もでも脱灰してしまいます。
ですが上記にあるように、人体は同時に『再石灰化』しています。つまり「虫歯になる」とは脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、再石灰化が追いつかなくなることです。
ですから虫歯にならないよう健康保持をするためには再石灰化反応を促進すればよいわけです。つまり「水素イオン濃度を下げること」が重要と考えられるわけです。そのためには、菌類による水素イオンの生成を抑える、唾液などを供給して水素イオン濃度を下げることが必要であるということです。
虫歯が再石灰化で治るのか?
虫歯になったとしても『初期の虫歯』であったら、むやみに削らずにフッ素やリカルデント、やキシリトールを使用したり、唾液の分泌をよくするなどして再石灰化を促す努力をすれば、虫歯の進行を止め元の状態に回復させることができます。
再石灰化の素晴らしい点は溶かされた歯の表面のエナメル質を、ただ元に戻すのではなく、結晶構造を変化させて、溶ける前の歯よりも硬くて虫歯に強いエナメル質に変化させるということです。
再石灰化により、ドンドン強い歯が作られていきます。ホントに人の歯というのは凄いですね。だからといって、自然に治る虫歯は初期の場合です。虫歯になったら歯医者さんに必ず行って下さい。
何故就寝時に虫歯になりやすいか
上記にあったように再石灰化は唾液によって促進されます。というより唾液が主役です。その唾液は就寝時には分泌される量が減ってしまいます。ですから再石灰化がされにくくなり、脱灰と再石灰化のバランスが崩れてしまい、虫歯になってしまうというわけです。
ですから就寝前の歯磨きを入念にして、脱灰しないような口腔内の環境を作ることが重要なのです。