コラム

2015.02.25

「歯の汚れ」から「歯の病気」になるしくみを知る①

こんにちは。歯科医師の南です。

 

歯科に行って医師から説明を受ける際、専門用語が出てくる場合があります。

もちろん、医師側もわかりやすい説明を心がけますが、受ける側としてもある程度の知識があった方がより理解しやすくなります。

 

高度な専門用語の理解は必要ありませんが、頻出する単語のいくつかと、それが口腔内にどのような影響を与えるかぐらいは前知識として持っていた方が良いでしょう。

 

たとえば、「歯垢」「プラーク」「ステイン」といった単語はよく耳にしますが、その違いを知っているでしょうか?

 

2011年のライオンが行った意識調査によると、「歯垢」という単語は、「知っている」が70%に対し、「理解している」はわずか20%。

言葉だけが一人歩きしている印象です。

 

「歯垢」とはどういうもので、それがどれほど歯の生育や健康に害をもたらすのか。

歯科医師から説明を受ける際、その知識があるとなしでは、話の内容の理解も、話の重みや深刻さも格段に違ってきます。

 

 

◎「歯垢」「プラーク

 

歯垢とプラークはほぼ同じ単語だと思っていいでしょう。

どちらの言葉を使うかは医師によって違います。

歯垢=プラークは、歯の表面に付着する白っぽいネバネバしたもので、「食べかす」ではありません。

食後に食べ物のカスが歯につきます。

歯の表面には唾液の成分による透明の膜ができていて、食べ物のカスがそれに付着することで、そこに細菌が繁殖します。

細菌は食後8時間から2日間にかけて増殖し続け、ネバネバした物質で覆われた歯垢を形成します。

歯垢1mgの中には300種類以上、10億個の細菌が存在しています。ぞっとしますよね。

 

歯垢は歯に強く付着しているため、うがいだけでは除去できませんが、ブラッシングで落とすことができます。

もちろん、正しい歯ブラシの使い方が大切です。

歯垢が形成されるまでには8時間かかりますので、1日3回、しっかりブラッシングできればかなりの予防になります。

 

 

「一流の人の歯は、なぜ白いのか?」植木ゆかり先生著http://www.amazon.co.jp/dp/4426118611/#immersive-view_1421303118965)より抜粋

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