こんにちは、衛生士の横山です。
今日はステインについてお話していきたいと思います。
『ステインってなに?』
皆さんは、ステインと聞いて何を思い浮かべますか?
もともと「汚れ」という意味のある言葉ですが、今では歯の着色や汚れを指すようになっています。
しかし、汚れや着色と言っても、実際何を指しているのか、少しわかりづらいですよね。
歯垢や歯石もステインなのか、それとももっと厳密な区別があるのか。
そこで、歯のステインについて、少し詳しく説明していきたいと思います。
ステインが発生するには下地が必要?
ステインである歯の着色や汚れは、食べ物や飲み物、それからタバコのヤニなどによって生じます。
ですから、歯垢や歯石そのものをステインと呼んでいるわけではないので、注意しましょう。
けれども、歯垢や歯石はステインを発生させる大きな要因になっていることは間違いありません。
つまり、ステインというのは、コーヒーに含まれるタンニンや、ヤニに含まれているタールやニコチンだけでは発生しないのです。
そこには、これらの物質が沈着するための下地が必要になります。
ペリクルがステインを生じさせてしまう
ステインについて考える上で、ペリクルという物質の存在を知っておく必要があります。
ペリクルというのは、歯の表面に形成されている物質で、厚さがわずか1マイクロメートルくらいの、非常に薄い膜ような形態をしています。
このペリクルは、唾液に含まれている糖タンパク質などによって構成されています。
ペリクル自体は、歯を酸などの刺激から守ってくれているため、基本的には良い物質と言えます。
けれども、不衛生にしていると、ペリクルの中に虫歯の原因菌であるミュータンス連鎖球菌などが住み着いてしまいます。
また、先ほど挙げたようなタンニンやタールなどの着色性の物質も、その中に取りこんでしまいます。 そして、時間が経過していくと共に、ペリクルは歯の中に浸透していき、ステインを形成していってしまうのです。
ステインを予防するには
このように、ステインというのは、着色性の物質と、ペリクルという歯の表面に存在する被膜との相互作用によって生じていきます。
ですので、逆に言えば、これらの物質をきちんとコントロールしておけば、ステインの発生は防げるということになります。
例えば、喫煙の習慣のある人は、完全に禁煙するか、タバコを吸う量を減らしましょう。
また、オーラルケアが不十分で、ペリクルや歯垢など歯の表面に常時、張りついてしまっている人は、そのお手入れを小まめにするようにしましょう。
基本的には、歯磨きをしっかりと行い、予防歯科に努めましょう。