コラム

2013.10.09

唾液で虫歯を治す? 再石灰化について

こんにちは、歯科医師の引田です。今日のお話は、お口の中で、起こっている再石灰化についてです。

 

虫歯を減らしたい、みなさんがそう思っていると思います。

虫歯は、脱灰という歯の表面からミネラルが溶け出すことから始まり、そのまま、ミネラル損失が続くと、歯の表面に穴があき、虫歯が発生します。しかし、虫歯になる前の状態である脱灰は、唾液に含まれるカルシウムイオンとリン酸イオンが取り込まれることにより修復され、元の健康な状態に戻る事が出来ます。この脱灰が修復される現象を、再石灰化と呼んでいます。

 

脱灰と再石灰化は、お口の中で日々起こっているので、脱灰より再石灰化を促進させれば、虫歯の発生を減らすことができるということが、お判りになると思います。

では、どうしたら、再石灰化を促進できるのでしょうか。毎食後の適切な歯磨き、フッ素や薬用ハイドロキシアパタイト配合歯磨き剤などの使用も効果はありますが、それ以上に効果があるのは、間食などの少ない規則正しい食生活です。

 

なぜなら、繰り返し起こる脱灰と再石灰化は、お口の中のph値に左右されるため、食後にお口の中が酸性に傾くと脱灰が進み、時間とともに、唾液により中和され元の状態に戻ると、脱灰した部分の再石灰化が進んでいくということが起こるからです。再石灰化には時間がかかるので、だらだら食べたり飲んだりしている場合、再石灰化が起こるのに必要な時間がなく、歯からミネラルが溶け出し虫歯が発生しやすいお口の中に、いつもなっていると考えられます。唾液はお口の中の環境のために、とても重要な存在なのです。

 

水分補給のために、砂糖が入ったような飲み物を頻繁に摂取するのは、常に脱灰が起こっているような状態になり、虫歯が発生しやすく、注意が必要です。

また、睡眠中は唾液の分泌が減るので、就寝前の飲食は良くなく、寝る前には丁寧に歯を磨いて、寝ている間に虫歯を作らないようにしましょう。

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