コラム

2013.11.26

日本人の美歯意識

こんにちは。歯科医師の南です。

 

グローバル化が進んだ現代では、海外に行かれる機会が多い方、海外の方とのコミュニケーションが必須の方も多い事と思います。

 

そのような場で、「日本人は歯が悪い、汚い」と指摘を受けた事はないでしょうか?

 

先日、ネットで議論されていた記事「Why do Japanese women/men have bad teeth?(なぜ、日本人は歯が汚いのか?」を読んで、私のアメリカ在住中、友人に指摘された事を思い出しました。

 

歯並びがデコボコ、歯が黄色い、金属がキラッと見えてしまう……。これらが平気なのも日本人。

欧米人だけでなく、同じアジアの韓国人よりも確実に日本人の方が歯が汚く意識が低い。

 

これはなぜなのでしょうか?

 

 

欧米では、輝く美しい白い歯が美人、ステイタスの条件だと捉えられ、反対に、歯並びの悪さや歯の汚さはが貧しさの象徴と捉えられているので、小さい頃から歯には気をつけている人がとても多いです。

子供の頃からの矯正治療、一般的な歯ブラシ以外のデンタルフロスを使ったり、3ヶ月から6ヶ月に1回の定期検診は当たり前です。

 

問題はたくさんあると思いますが、ひとつは日本の健康保険制度があげられるのかもしれません。

 

日本は生まれたときから亡くなる時まで、何らかの医療保険に加入することになっており、それを国民皆保険制度と言います。

医療費はそれぞれの病院が決めるのではなく、厚生労働省が診療報酬という名称の医療費を全国一律に決めています。つまり全国どこの病院でも、検査や治療は同額になります。

歯科も医科と同様で健康保険制度の適応を受けており、患者は一定の負担金だけを窓口で支払い、残りは国が負担してくれます。
欧米ではこのような制度のない国も多く、その場合、自分で民間の保険に加入するか実費で支払うしかありません。

このため自己負担がとても大きく、虫歯や歯周病にならないようにするために、毎日努力し自己管理を行っているのです。
日本の健康保険制度は、基本的な医療を国民が少ない負担で受けられるようにサポートしているという点では素晴らしいですが、チェックや予防部分のカバーは少なく、起こったトラブルに対応する対処療法が中心であることや、負担金が少ないために自己管理する意識が少ないことは否めません。

 

虫歯や歯周病は予防できるものです。

 

フロスや歯間ブラシで細かい部分の清掃をしっかりと行い、自己管理できない部分を定期的に歯科医院でプロフェッショナルケアしてもらえば、問題も早期に発見し簡単な治療で済むことも可能です。

少しの努力をすれば健康な歯と歯茎を保つことができるはずなのです。

 

国際化が進んでいる現在、美しい歯が与える印象はどこの国においても重要で、逆に不健康で汚い歯が与える印象というのはとてつもなく大きなマイナスイメージになります。

きれいな歯並び、輝く白い歯、口角の上がった最高のスマイルを多くの日本人がもてるように、歯に対する意識を高めて、少しずつ「日本人は歯が悪い」というイメージを払拭できるお手伝いができれば、と思います。

一番上に戻る一番上に戻る
03-3432-4618047-441-4618 初診専用WEB予約初診専用WEB予約 アクセス 問診票