コラム

2014.05.08

歯ぎしりから歯&治療を救いたい

こんにちは。歯科医師の南です。

 

 

◎治療の連鎖、ブラキシズムが原因かも!

 

 

患者さんの中には、歯のケアに熱心なのに、歯が欠ける、折れる、被せものが壊れるなどのトラブルを繰り返す方がいます。

お聞きすると、奥歯を失い、ブリッジやインプラントを入れてからも何度も壊れて作り替えたなど、治療の連鎖に悩んでいらっしゃるのです。

 

そんな時に疑われるのが「ブラキシズム」です。

 

ブラキシズムによって歯や歯の周りの組織、あごの骨などにその耐久性を超える力が繰り返しかかることでトラブルは拡大していきます。

 

過剰な力が原因となれば、大切なのはその力を減らすこと。

そのために欠かせないのが患者さんの気づきです。

普段の行動を認識することが改善への第一歩になります。

食生活の見直し、クセの改善、睡眠時のブラキシズムは?etc…………

あらゆる角度から力の影響を洗い出し、リスクをひとつづつ減らしていく必要があります。

 

 

◎眠りのサイクルとの関係って?

 

 

睡眠中のブラキシズムはさまざまな要因が複雑にからまりあって起きるため、実は残念なことに、その発生原因はいまだに解明されていません。

 

一方、睡眠中のどんなときにブラキシズムが起きるのかは明らかになっています。

じつは眠りが浅くなる時に起きるのです。

 

眠りには周期があり、浅いノンレム睡眠に引き続いて深いノンレム睡眠が現れ、その後、睡眠がぐっと浅くなりレム睡眠に移行します。

浅いノンレム睡眠のあいだは、一過性の覚醒が頻繁に発生しますが、ブラキシズムはこの一過性の覚醒とともに集中して起こります。

たとえば、いびきをすると息が苦しくなるために、たびたび眠りが浅くなります。

すると眠りのサイクルが乱れ、ブラキシズムの発言も頻繁になります。

健やかな眠りは、心身の健康にとって大切であることはもちろんですが、ブラキシズムの改善にとってもたいへん重要なのです。

 

 

◎小さな気づき、見逃さず相談を!

 

 

睡眠時ブラキシズムの被害を食い止めるためもっとも重要なのは、患者さんの気づきです。

患者さんが睡眠時ブラキシズムを認識し、納得してくださることが、スプリントをつかって確実に被害を減らす第一歩です。

 

むし歯や歯周病の感染対策に加え、今後は力がもたらす問題にも目を向けていただくと、あなたが抱えるトラブルを解決する新たな突破口が見つかるかもしれません。

是非ためしてみてください。

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