コラム

2014.08.19

歯冠の崩壊

こんにちは。歯科医師の南です。

 

 

人間の体の中で、もっとも硬いものは歯です。

けれども意外と簡単に壊れてしまう経験をお持ちの方も多いと思います。

歯が壊れていく過程での、最初の出来事はエナメル質の脱灰という現象なのです。

 

 

食事をして、歯を磨かないでいると、またたくまに歯の表面が汚れてきます。

これは「食べかす」ではありません。

歯垢(プラーク)というバイ菌の塊です。

おなじみのミュータンス菌など、大量の生きたバイ菌なのです。

このバイ菌が酸を作って、歯の表面を溶かしはじめます。

 

 

あまりひどく溶かされないうちにブラッシングをしてプラークを除去してしまえば、唾液の力で溶け出したカルシウムを取り戻すことができますので、歯の崩壊は始まりません。

しかし、ブラッシングが不十分で、プラークが残ったままで成熟してくると不可逆的な脱灰を起こし、歯の崩壊が始まります。

これがカリエス(齲蝕)、いわゆるむし歯です。

 

 

齲蝕がエナメル質の範囲にとどまっているものをカリエス1度、C1と称します。

自覚症状はありませんのでほとんどの場合気がつきません。

 

 

この時点で発見できれば、徹底的なブラッシングやフッ素を用いて、齲蝕の進行を遅らせる努力をしていただきます。

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