コラム

2013.11.14

歯科においてのインフルエンザ予防

こんにちは。歯科医師の南です。

 

ここ最近、寒さが一層厳しくなり、朝晩と日中の温度変化で体調を崩されている方も多いのではないでしょうか?

これからさらに寒い季節になってくると、風邪やインフルエンザの予防をしっかりとおこなっていかなくてはなりません。

 

実は、インフルエンザを予防するのにお口の中の口腔ケアは非常に大切な事なのです。

 

ある介護保険施設で行われた研究で歯科衛生士が週1回、丁寧な歯磨きや舌みがきの指導を行ったところ、『インフルエンザの発症率が10分の1に激減した』という報告があります。

 

メカニズムは次のように推定されています。

鼻からのどにかけての粘膜はタンパク質の膜で覆われているため、ウイルスはなかなかくっつくことができません。

ところが口の中の細菌が出す「プロテアーゼ」という酵素が膜を破壊することで、ウイルスがくっつき、細胞内に侵入できるようになると考えられているのです。

お口を不潔にしておくことで、細菌が増殖し、プロテアーゼの量も増えて、インフルエンザにかかりやすくなるということです。

毎日の歯磨きをしっかりおこない、歯科医院での歯周病や虫歯の治療、歯のクリーニング(PMTC)などをおこなうことで口の中の細菌を減らすと、プロテアーゼの量が減り、インフルエンザの発症も抑えられるとされています。

 

口の中には、インフルエンザウイルスの感染を助けると考えられる細菌以外にも、唾液に混じって気道に入り、重症の肺炎を引き起こす細菌なども多く住み着いています。

そのため、日頃から口の中をきれいに保ち、細菌を除去しておくことが、幅広く危険な感染症を予防する対策として有効なのです。

 

皆さん、ご自身の健康を保つために、しっかりとお口の中からきれいに保つ事を心がけて下さい。

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