コラム

2015.09.01

虫歯はないはずなのに、痛い?!

こんにちは、歯科医師の南です。

 

虫歯はないはずなのに、歯を磨くと歯が痛むような症状がある方、いらっしゃいませんか?

 

原因として考えられるのが…

原因1(知覚過敏)

冷たい水を飲んだ時に歯がしみたり、歯ブラシを当てたところがピリッと痛むことがありませんか?

虫歯はないはずなのに…

 

これは知覚過敏という現象です。

 

歯はエナメル質で覆われていますが、歯ぐきが下がったりエナメル質がすり減って中の象牙質が露出すると痛みを感じるようになります。

象牙質の表面には無数の孔が開いていて外部からの刺激が歯髄(神経)に伝達しやすいのです。

痛みは一過性のものですから、刺激がなくなれば消失します。

でも、これが年中続くと辛くなります。

歯磨きがやりにくくなり、そのせいで歯垢が溜まり、口腔内細菌によって作られる酸によって露出した象牙質の孔がさらに広がり痛みはますますひどくなっていきます。

 

予防、改善の方法としては毎日ブラッシングを正しく行うというセルフケアが基本ですが、症状がひどい場合には歯科で象牙質を守るコーティング剤を幹部に塗りこむという方法があります。

 

重度の知覚過敏に関しては、歯の神経を抜くという治療も考えられますが、これはあくまで最終手段と考えてください。

 

原因2(ストレス、神経因性)

歯科で歯を治したのに痛みが取れない、いくら検査をしても歯痛の原因が見つけられない…このような原因不明の歯痛のことを「非定型歯痛」と言います。

 

そのメカニズムはよくわかっていません。

精神的な緊張により血中のカテコールアミンという神経伝達物質の量が増加して周囲の血管が充血し、そのために歯痛が引き起こされるという説や、過去に行った歯の治療の際に、歯の神経から脳へ痛みを伝える神経伝達が混乱してしまうことにより歯痛が起こるという神経因性説があります。

 

非定型歯痛は歯や歯ぐきには問題はないので、削ったり薬を詰めたりといった一般的な歯科治療では痛みは引きません。

いわゆる慢性疼痛の一種なので抗うつ剤などが効果を示すことがありますが、まずはストレスを緩和することが先決です。

痛みが長引くようなら、一般の歯科クリニックでは抗うつ剤の処方はできませんので、総合病院の歯科、口腔外科やペインクリニック内科などを受診した方がいいでしょう。

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