コラム

2015.02.16

ブラッシング時に舌の色が気になる

こんにちは、歯科医師の南です。

 

普段はあまり気にしない舌の色。

よく見るとちょっと白っぽい感じがする… 舌を改めてよく観察すると、白っぽい苔のようなものが付着している事に気づく事があります。

その白いものは舌苔(ぜったい)といいます。

舌苔は口臭のもとだから、削る方が良い、とよく言われますが、舌は繊細で味覚を感知するセンサーや体調のバロメーターとしての役割も果たしていますから、神経質になってガリガリと削るとデリケートな機能が破壊されてしまいます。

 

舌苔は食べ物のカスが付着したことによって形成され、口臭を発する事も確かにありますが、口臭の原因はいろいろあり、舌苔だけが原因ではありません。

 

口腔内が健康な状態であれば舌苔の量は少ないのです。

なぜなら、唾液によってほとんど取り除かれてしまうからです。

舌苔が多いという事は、口腔内が健康に保たれていないという状態だという事です。

風邪をひいていたり、疲労がたまっていたりすると舌苔が溜まる状態になります。

発熱などで唾液の分泌が抑えられるため、舌苔が繁殖してしまうのです。

また、内蔵に何らかの異変があった時にも、舌苔は溜まりやすくなり、白くなったり黄色くなったり舌が変色します。

内科にかかると医師が舌を見るのは、内蔵の健康状態を確認するためで、舌の色は体の状態を判断するひとつの目安となるのです。

 

舌苔を取り除く専用のブラシも市販されていますが、前述したように神経質になって削りすぎると、生理的に必要な苔まで取り除かれてしまい口腔内の清浄作用や味覚を損ねてしまう可能性もありますので、注意が必要です。

専用ブラシを使う時は、舌の奥の方から優しくなでるようにしてください。

ゴシゴシ磨くのはNGなのは歯磨きの場合と同じです。

味覚などを感知する舌乳頭という大事な突起物を傷つけてしまいます。

『植木ゆかり先生の「一流の人の歯は、なぜ白いのか?」より抜粋(http://www.amazon.co.jp/一流の人の歯は、なぜ白いのか-植木-ゆかり/dp/4426118611)』

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