コラム

2025.02.25

歯がかけた! 歯冠破折の原因とすぐにできる応急処置とは?

突然の歯の破折!まず何をすべき?

歯が欠ける原因とは?(外傷・食いしばり・虫歯)

歯が欠ける原因にはさまざまな要因があります。最も一般的なのは、転倒やスポーツ中の衝突などの外傷です。強い衝撃を受けることで、歯にヒビが入ったり、欠けたりすることがあります。また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、長期間にわたる強い力が歯に負担をかけ、歯が徐々に弱くなり欠けることがあります。さらに、虫歯が原因で歯がもろくなり、小さな衝撃でも簡単に破折するケースもあります。

 

欠けた歯を放置するとどうなる?

歯が欠けたまま放置すると、さまざまなリスクが生じます。軽度の破折であっても、内部の象牙質が露出すると知覚過敏のような症状が現れ、冷たいものや熱いものがしみることがあります。また、ひび割れた部分に細菌が入り込み、虫歯や歯周病の原因となる可能性もあります。さらに、欠けた歯が舌や頬に当たることで口内炎を引き起こすこともあります。特に前歯が欠けた場合は、見た目の問題もあるため、早めに適切な治療を受けることが大切です。

 

応急処置の方法(持参すべきもの・やってはいけないこと)

歯が欠けた場合、すぐに歯科医院を受診することが理想ですが、受診までの間に適切な応急処置を行うことが重要です。まず、欠けた歯の破片がある場合は、水で軽くすすぎ、乾燥しないように牛乳や生理食塩水に浸して保存しましょう。破片が再利用できる可能性があるため、できるだけ早く歯科医院に持参してください。

 

また、痛みがある場合は、市販の鎮痛剤を服用し、患部を冷やすことで症状を和らげることができます。ただし、氷を直接歯に当てると逆に痛みが強くなる可能性があるため、注意が必要です。さらに、舌や頬を傷つけないよう、鋭利な部分がある場合は、ワセリンを塗るか、歯科用ワックスを使用することもおすすめです。

 

やってはいけないこととしては、欠けた部分を無理に削ったり、自己判断で接着剤を使用して修復しようとすることです。家庭用の接着剤は口腔内で安全に使用できるものではなく、健康を害する恐れがあるため、絶対に使用しないようにしましょう。

 

このように、歯が欠けた際の応急処置を適切に行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。すぐに歯科医院を受診し、専門的な診断と治療を受けることが、歯の健康を守る最善の方法です。

歯冠破折の種類とそれぞれの治療法

表面の欠け(エナメル質破折)の治療法

エナメル質が欠ける破折は比較的軽度なケースであり、多くの場合、痛みを伴いません。エナメル質がわずかに欠けた場合、歯科医院で研磨を行うことで違和感を軽減できます。また、見た目が気になる場合は、コンポジットレジン(歯科用プラスチック)を使用して形を整えることができます。特に前歯の場合、審美性を考慮してラミネートベニアやセラミックのクラウンを選択することもあります。

 

また、エナメル質の破折は進行しにくいものの、放置すると破折部分がさらに広がる可能性があります。そのため、早めに歯科医院で適切な処置を受けることが推奨されます。軽度の欠けであれば、コンポジットレジンで修復することで自然な見た目を取り戻すことができます。

 

深い亀裂や神経に達する破折の治療法

破折が象牙質まで進行すると、冷たいものや熱いものがしみるようになります。このような場合、コンポジットレジンを用いた充填処置や、クラウン(被せ物)で補強する治療が必要になります。さらに、破折が神経に達している場合は、根管治療を行い、感染を防ぐための処置が求められます。放置すると歯髄炎や歯根の感染を引き起こす可能性があるため、早期の対応が重要です。

 

根管治療では、感染した神経を取り除いた後、歯の内部を消毒し、最終的にクラウンを被せることで歯の機能を維持します。根管治療を適切に行えば、破折した歯を保存できる可能性が高まります。

 

歯の根まで達した場合の対応(抜歯の可能性)

歯の破折が根まで及ぶと、歯の保存が難しくなる場合があります。特に縦に亀裂が入るケースでは、歯を維持することが困難になり、抜歯が必要になることもあります。ただし、先進的な歯科治療では、歯の保存を最優先に考えるため、可能な限り抜歯を避ける治療法が採用されます。例えば、破折部位の除去後にクラウンで補強する方法や、歯の一部を残して部分修復を行うケースもあります。

 

一方で、抜歯が避けられない場合には、インプラントやブリッジ、義歯といった補綴治療が選択肢となります。インプラントは、天然歯に近い噛み心地を得ることができるため、多くの患者様に選ばれています。ブリッジは周囲の歯を支えにする方法ですが、隣接する歯への負担があるため、適切な選択が求められます。

 

歯冠破折の治療は、破折の位置や程度によって異なります。軽度な破折であれば、簡単な処置で対応できますが、放置すると悪化する可能性が高いため、症状が現れた際には早急に歯科医院を受診することが重要です。また、破折の進行を防ぐために、日頃のケアとして適切なブラッシングやフッ素塗布、定期的な歯科検診を受けることが推奨されます。

歯が欠けたときに感じる症状とその意味

しみる・痛むのはなぜ?

歯が欠けたときにしみたり痛みを感じるのは、象牙質や神経が露出することが原因です。エナメル質が欠けた場合、象牙質がむき出しになり、冷たいものや熱いものが直接刺激することでしみるようになります。さらに、破折が深く神経に達している場合は、ズキズキとした痛みを感じることがあります。これは、神経が炎症を起こしているサインであり、適切な処置を受けなければ症状が悪化する可能性があります。痛みが軽いうちに歯科医院を受診することで、早期の治療が可能となり、歯の保存がしやすくなります。

 

また、歯の欠け方によって痛みの度合いも異なります。例えば、小さなヒビ程度であれば違和感程度ですが、大きく破折して象牙質や神経がむき出しになった場合は、冷たいものや甘いものが強くしみたり、持続的な痛みを感じることもあります。特に、何もしていないのに痛みが続く場合は、歯の神経が炎症を起こしている可能性が高いため、放置せずに早めに診察を受けることが大切です。

 

何も感じない場合でも治療が必要?

歯が欠けても痛みやしみる症状を感じないことがあります。しかし、それが必ずしも問題がないというわけではありません。例えば、小さな欠けでも長期間放置すると、破折部分に細菌が入り込み、虫歯や感染の原因となることがあります。また、破折が歯の内部で進行している可能性もあり、目に見える症状がないからといって安心はできません。

 

特に神経がすでに死んでいる場合は、痛みを感じないまま症状が悪化することがあるため、歯科医院での診察が必要です。神経が死んだ歯は一見問題がないように見えますが、内部では炎症が進行し、膿が溜まってしまう可能性があります。これが原因で歯の根の周囲に炎症が広がると、抜歯が必要になるケースもあるため、痛みがなくても放置せず、専門医の診断を受けることが重要です。

 

さらに、破折した部分が大きくなくても、長期間放置することで歯の構造が弱くなり、さらに大きく欠けるリスクが高まります。食事中に歯がさらに欠けてしまうこともあるため、小さな破折でも早めの治療が推奨されます。定期的な検診を受けることで、問題の早期発見につながります。

 

割れた部分が舌や頬に当たるリスク

歯が欠けると、鋭利な部分ができることがあり、舌や頬の内側を傷つけるリスクが高まります。特に食事中や会話の際に、舌が鋭い部分に触れてしまい、口内炎の原因となることもあります。口の中は非常に敏感な組織であり、小さな傷でも炎症が起こりやすく、痛みを伴うことがあります。

 

応急処置として、ワセリンを塗る、歯科用ワックスを使用するなどの方法がありますが、根本的な解決には歯科医院での治療が必要です。欠けた歯が原因で口内炎が頻発する場合は、早急に処置を受けることをおすすめします。

 

また、舌や頬の粘膜を傷つけるリスクが高い場合、一時的にマウスピースを装着することで傷つきを防ぐことができます。しかし、これはあくまでも一時的な対処法であり、抜本的な解決には至りません。欠けた歯の形を整えたり、レジンやクラウンで補修することが、長期的な視点での対策となります。

 

歯が欠けたときの症状は、破折の深さや場所によって異なります。痛みがある場合はもちろん、痛みがなくても放置することで症状が悪化する可能性があるため、少しでも異常を感じたら歯科医院で適切な診察を受けることが大切です。特に、前歯などの目立つ部分が欠けた場合は、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音にも影響を与える可能性があるため、専門的な治療が必要となります。

 

早めに歯科医院を受診することで、簡単な治療で済むケースも多いため、「痛くないから大丈夫」と自己判断せず、歯科医師のアドバイスを受けることが大切です。

歯の破折を防ぐための習慣と予防法

食事中に注意すべきこと(硬い食べ物・突然の衝撃)

歯が欠ける原因の一つとして、硬い食べ物の摂取や突然の強い衝撃が挙げられます。例えば、氷を噛んだり、ナッツ類や硬いキャンディを強く噛むと、歯に過度な圧力がかかり、破折のリスクが高まります。また、骨付き肉やせんべいなどの硬い食べ物を噛む際も注意が必要です。特に、以前に治療した歯や詰め物のある歯は、天然歯よりも破折しやすいことがあるため、慎重に食事をすることが推奨されます。

 

また、食事中の急な衝撃も破折の原因になります。例えば、フォークやスプーンを強く噛んでしまったり、スポーツ中に何かが口元に当たったりすることで、歯が欠けることがあります。食事の際には、無意識に歯に負担をかけないよう、ゆっくりと噛むことを意識することが大切です。

 

歯ぎしり・食いしばり対策(マウスピースの活用)

歯ぎしりや食いしばりは、歯に継続的な負担をかけるため、破折の大きな原因となります。特に、就寝中の無意識の歯ぎしりは、歯の表面をすり減らし、細かいヒビを作ることがあります。これが積み重なると、最終的には歯が欠けたり割れたりするリスクが高まります。

 

歯ぎしりや食いしばりを防ぐためには、マウスピースの使用が効果的です。歯科医院で作成されるカスタムマウスピースは、歯にフィットし、過度な圧力がかかるのを防ぐ役割を果たします。特にストレスが原因で歯ぎしりが起こる場合は、リラックスする習慣を身につけることも重要です。就寝前にストレッチを行ったり、リラックスできる音楽を聴くことで、無意識の歯ぎしりを軽減できる可能性があります。

 

定期検診と早期治療の重要性

歯の破折を防ぐためには、日頃から定期的な歯科検診を受けることが重要です。歯の小さなヒビや摩耗は、自分では気づきにくいことが多いため、専門医によるチェックを受けることで早期発見が可能になります。特に、噛み合わせのバランスが悪い場合は、特定の歯に負担が集中し、破折のリスクが高くなるため、調整が必要になることもあります。

 

また、虫歯や歯周病の予防も、歯の強度を保つうえで重要な要素です。虫歯が進行すると歯の構造が弱くなり、少しの衝撃で欠けてしまうことがあります。そのため、フッ素入りの歯磨き粉を使用し、適切なブラッシングを行うことが大切です。

 

破折を防ぐためには、日常生活の中での意識が不可欠です。硬い食べ物を慎重に噛むこと、歯ぎしりや食いしばりを防ぐこと、定期的な歯科検診を受けることの3つを習慣化することで、歯を健康に保ち、破折のリスクを最小限に抑えることができます。

治療方法の選択肢とメリット・デメリット

コンポジットレジンでの修復(軽度の破折)

軽度の破折では、コンポジットレジン(歯科用プラスチック)を使用して修復する方法が一般的です。この治療法の最大のメリットは、短時間で施術が完了し、比較的低コストで済む点です。歯と同じ色の素材を使用するため、自然な仕上がりになります。

 

しかし、コンポジットレジンは強度がそれほど高くないため、強い噛み合わせが加わる部位では破損しやすいというデメリットがあります。また、経年的な変色や摩耗のリスクがあり、定期的なメンテナンスが必要となります。そのため、特に前歯やあまり力がかからない歯に適した治療法といえます。

 

クラウン(被せ物)による補強

中等度以上の破折では、クラウン(被せ物)を使用して歯を補強する方法が効果的です。クラウンにはセラミック、ジルコニア、メタルボンドなどさまざまな種類があり、患者様の希望や予算に応じて選択できます。

 

この治療のメリットは、強度が高く、長期間の使用に耐えうることです。特にジルコニアクラウンは審美性と耐久性を兼ね備えており、前歯や奥歯のどちらにも適用可能です。ただし、デメリットとしては、健康な歯を削る必要がある点が挙げられます。また、保険適用外の素材を選択すると費用が高額になることもあります。

 

インプラントやブリッジが必要なケース

歯の破折が重度で、保存が難しい場合には、抜歯後にインプラントやブリッジを用いた補綴治療が必要になります。インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。メリットとしては、隣接する健康な歯を削る必要がなく、天然歯に近い機能を持つ点が挙げられます。

 

一方で、インプラントは外科手術が必要となるため、治療期間が長く、費用も比較的高額です。また、顎の骨の状態によっては、骨造成手術が必要になることもあります。

 

ブリッジ治療は、両隣の歯を削り、その上に連結した人工歯を装着する方法です。治療期間が比較的短く、固定式のため違和感が少ないメリットがあります。しかし、健康な歯を削る必要があるため、長期的に見ると隣接する歯への負担が大きくなる可能性があります。

 

歯冠破折の治療方法は、破折の程度や患者様のライフスタイル、予算によって異なります。歯をできるだけ保存する方向で治療を進めることが一般的ですが、ケースによっては抜歯が避けられないこともあります。治療の選択肢とそのメリット・デメリットをしっかり理解し、歯科医師と相談しながら適切な治療法を選ぶことが重要です。

歯冠破折と審美面への影響—見た目を改善するには?

未来のための精密根管治療という選択

前歯が欠けたときの審美的な治療法

前歯が欠けると、見た目の影響が大きいため、多くの患者様が早急な対応を求めます。審美的な治療法としては、コンポジットレジンによる修復、ラミネートベニア、セラミッククラウンの装着などが考えられます。

 

コンポジットレジンは、短時間で修復が可能で、自然な色合いに仕上げることができますが、耐久性がやや低いため、長期間の使用には向いていません。一方、ラミネートベニアは、歯の表面に薄いセラミックのシェルを貼り付ける方法で、自然な美しさを維持しつつ、強度も確保できます。セラミッククラウンは、欠けた部分を完全に覆う形で修復し、耐久性と審美性の両方を兼ね備えています。

 

セラミック・ジルコニアなどの素材選び

審美性を重視する場合、使用する素材の選択も重要です。セラミックは、天然歯に近い透明感があり、色の調整も可能なため、特に前歯の修復に適しています。ジルコニアは、セラミックよりも強度が高く、奥歯などの咬合力が強くかかる部位に適しています。

 

また、ハイブリッドセラミックという選択肢もあり、セラミックとレジン(樹脂)の特性を併せ持つことで、適度な柔軟性と耐久性を実現しています。どの素材を選ぶかは、患者様の希望や咬合状態、ライフスタイルによって異なりますので、歯科医師と相談しながら決定することが大切です。

 

矯正治療と組み合わせた場合の対応

歯冠破折が生じた際に、噛み合わせや歯並びの問題がある場合、矯正治療と組み合わせた対応も検討されます。特に、歯の破折が歯ぎしりや食いしばりによって引き起こされた場合、噛み合わせの調整が必要になることがあります。

 

矯正治療と組み合わせることで、見た目の改善だけでなく、噛み合わせのバランスを整え、再び歯が欠けるリスクを低減することが可能になります。特に、前歯の傾斜や出っ歯が原因で前歯が破折しやすい場合、矯正治療によって歯の位置を適正化することで、歯への負担を軽減できます。

 

審美性を重視した治療は、患者様の自信にも大きく影響を与えます。治療を選択する際は、見た目だけでなく、機能性や耐久性も考慮しながら、最適な治療法を選択することが大切です。

子どもに多い歯の破折—親が知っておくべきこと

乳歯が欠けた場合の対応と注意点

子どもは転倒や遊びの最中に歯をぶつけることが多く、乳歯の破折がよく見られます。乳歯が欠けた場合、見た目の問題だけでなく、将来的な永久歯への影響も考慮する必要があります。小さな欠けであれば、コンポジットレジンで簡単に修復できますが、大きく欠けたり、神経に影響を及ぼしている場合は、歯科医院での精密な診断と適切な処置が必要です。

 

また、乳歯は永久歯が生えてくるまでの大切なスペースを確保する役割もあります。そのため、放置すると隣の歯が動いてしまい、歯並びに影響を与える可能性があります。欠けた歯の周囲がしみる、腫れるなどの症状がある場合は、早めに歯科医の診察を受けることが大切です。

 

成長途中の永久歯が破折した場合の処置

成長途中の永久歯が破折すると、治療方法が乳歯とは異なります。特に、神経が露出している場合は、感染のリスクが高まるため、早急な対応が求められます。小さな破折であれば、レジンで修復することが可能ですが、大きく欠けた場合は、歯髄の保護やクラウンを使用した治療が検討されます。

 

また、成長途中の子どもは、歯の根の発育がまだ完了していないため、歯の保存を最優先にした治療計画が立てられます。歯を抜かずに済むよう、根の成長を促す治療を行うこともあります。スポーツ中や転倒による破折が原因の場合、今後の予防策としてマウスガードの使用が推奨されることもあります。

 

スポーツや遊びでの事故を防ぐ工夫

子どもが活発に活動する中で、歯の破折を防ぐための対策を講じることが重要です。特に、コンタクトスポーツ(サッカー、バスケットボール、ラグビーなど)では、マウスガードの着用が推奨されます。市販のものよりも、歯科医院で作成されるカスタムマウスガードの方が、適切なフィット感と保護効果を得ることができます。

 

また、家庭内でも転倒のリスクを減らす工夫が必要です。家具の角を保護したり、階段やフローリングで滑らないように対策をすることで、事故を未然に防ぐことができます。特に、小さな子どもはまだバランスが不安定なため、遊ぶ環境にも注意を払うことが重要です。

 

子どもの歯の破折は、大人に比べて発生しやすいものですが、適切な対応をすれば健康な歯を維持することができます。親が適切な知識を持ち、迅速に対応できるよう準備しておくことが、子どもの歯を守るための第一歩となります。

歯の破折をきっかけに口腔ケアを見直そう

虫歯や歯周病が原因で歯が欠けることもある?

歯が欠ける原因は外傷だけではなく、虫歯や歯周病が関与していることも少なくありません。虫歯が進行すると、歯の構造がもろくなり、わずかな衝撃でも破折しやすくなります。また、歯周病によって歯を支える骨が弱くなると、噛み合わせの圧力に耐えられなくなり、歯が欠けるリスクが高まります。

 

特に、神経を抜いた歯は脆くなりやすく、日常的な咀嚼によって小さなヒビが入り、やがて大きな破折に至ることがあります。歯の破折を防ぐためには、日頃の虫歯・歯周病予防が不可欠です。定期的な歯科検診を受け、適切なメンテナンスを行うことで、破折リスクを減らすことができます。

 

予防歯科の視点から見た破折対策

歯の健康を維持するためには、予防歯科の観点からも対策を講じることが重要です。例えば、歯科医院での定期クリーニングやフッ素塗布は、歯の強度を保つのに役立ちます。フッ素にはエナメル質を強化し、酸による溶解を防ぐ効果があるため、虫歯予防に加えて、歯の破折を防ぐ効果も期待できます。

 

また、噛み合わせのバランスを整えることも重要です。噛み合わせのズレがあると、特定の歯に過剰な力がかかり、破折の原因になります。歯科医師による咬合調整を受けることで、均等な力で噛むことができるようになり、破折のリスクを低減できます。

 

フッ素・歯磨き習慣の見直しで歯を強くする

毎日の歯磨き習慣を見直すことも、破折予防の重要なポイントです。適切な歯磨き方法を実践することで、歯の表面のプラークを効果的に除去し、歯を健康に保つことができます。また、フッ素配合の歯磨き粉を使用することで、エナメル質の再石灰化を促し、歯を強化することが可能です。

 

さらに、食生活の改善も歯の健康に寄与します。カルシウムやビタミンDを多く含む食品を摂取することで、歯の強度を高めることができます。特に、乳製品や魚、緑黄色野菜をバランスよく取り入れることが推奨されます。

 

歯の破折を経験したことで、日頃の口腔ケアの重要性を再認識することができます。これを機に、より丁寧なケアを心がけ、健康な歯を維持するための習慣を見直しましょう。歯科医院での定期チェックと日々のセルフケアを組み合わせることで、歯を長く健康に保つことができます。

痛みがある・ない?歯が欠けたときの緊急性チェック

デスクワークのストレスが歯に及ぼす影響

すぐに歯科を受診すべきケースとは?

歯が欠けた際、すぐに歯科医院を受診すべきケースがあります。例えば、歯の破折によって強い痛みを感じる場合や、神経が露出している場合は、速やかな治療が必要です。また、歯茎が腫れている、出血が止まらない、欠けた歯の一部が鋭利で口腔内を傷つけている場合も、早めの対応が求められます。

 

特に、歯の根元まで破折が達している場合や、噛み合わせに影響を及ぼしている場合には、専門的な診断と適切な処置が不可欠です。早期に治療を行うことで、歯の保存が可能となるケースも多いため、迷った場合はすぐに歯科医院に相談するのがベストです。

 

応急処置で様子を見てもよい場合とは?

すべての歯の破折が緊急性を伴うわけではありません。例えば、歯の表面が軽く欠けただけで、痛みやしみる症状がない場合は、急を要する状態ではない可能性があります。このようなケースでは、まず歯科医院に相談し、適切なタイミングで治療を受けることが大切です。

 

ただし、欠けた部分が鋭く、舌や頬の内側を傷つける恐れがある場合には、応急処置として歯科用ワックスを使用したり、欠けた部分をガーゼで保護することが推奨されます。いずれにせよ、痛みがなくても破折した歯は放置せず、早めに歯科医院で診察を受けることが望ましいです。

 

破折が原因で起こる二次的なトラブル(感染・炎症)

歯が欠けた状態を放置すると、さまざまな二次的なトラブルを引き起こす可能性があります。例えば、破折した部分から細菌が侵入し、歯の内部や歯根に感染が広がるリスクがあります。特に、神経に達している場合は、炎症が進行し、激しい痛みや腫れを伴うことがあります。

 

また、欠けた歯が原因で噛み合わせのバランスが崩れると、他の歯に負担がかかり、歯ぎしりや顎関節症のリスクが高まります。こうした二次的な問題を防ぐためにも、歯が欠けた際は早めに専門的な診断を受け、適切な処置を行うことが重要です。

 

歯の破折は見た目の問題だけでなく、口腔全体の健康にも影響を及ぼします。痛みがある場合はもちろん、痛みがない場合でも、歯科医院での診察を受けることで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができます。

よくある質問と治療後のケア方法

欠けた歯は元通りに戻せる?

歯が欠けた際に「元通りに戻せるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。欠けた部分が小さければ、コンポジットレジンを使用した修復で自然な形に戻すことが可能です。大きく欠けた場合は、クラウン(被せ物)やラミネートベニアを利用することで、審美性と機能性を回復できます。

 

しかし、歯の破折が神経にまで達している場合は、根管治療が必要になることがあります。さらに、歯の根まで深く破折している場合には、抜歯が避けられないケースもあります。そのため、早期に適切な治療を受けることが、歯の保存と回復の鍵となります。

 

歯を補修した後の食生活で気をつけること

歯の修復後は、特に初期の段階では注意が必要です。治療直後は強い力が加わる硬い食べ物(ナッツ類、氷、飴など)を避けることが推奨されます。また、粘着性のある食品(キャラメルやガム)も、補修部分に負担をかける可能性があるため、控えめにしましょう。

 

さらに、修復した歯は経年劣化するため、長持ちさせるためには適切なケアが不可欠です。歯科医の指導に従い、適切なブラッシング方法を実践することが大切です。特に、クラウンやレジンで修復した歯は、強くこすりすぎると摩耗の原因になるため、柔らかめの歯ブラシを使用するとよいでしょう。

 

治療後に再び欠けないためのメンテナンス

修復した歯を長持ちさせるためには、日々のメンテナンスが重要です。まず、適切な歯磨きとフロスを使用し、清潔な口腔環境を維持することが基本です。また、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、ナイトガード(マウスピース)の使用を検討するとよいでしょう。

 

また、定期的な歯科検診を受けることで、破折した歯や補修部分の状態をチェックし、必要に応じて調整や再治療を行うことができます。歯が欠けた経験のある方は、破折のリスクを減らすためにも、定期的なプロフェッショナルケアを受けることが推奨されます。

 

歯の破折は誰にでも起こりうるトラブルですが、適切な治療と予防を行うことで、健康な歯を維持し、快適な生活を送ることが可能です。歯が欠けた際には、早めの受診と適切なケアを心掛けましょう。

 

 

汐留駅から徒歩5分の歯医者・歯科
患者様の声に耳を傾ける専門の歯科クリニック
監修:《 オリオン歯科 NBFコモディオ汐留クリニック 》
住所:東京都港区東新橋2丁目14−1 コモディオ汐留 1F
電話番号 ☎:03-3432-4618

*監修者
オリオン歯科 NBFコモディオ汐留クリニック東京
ドクター 櫻田 雅彦
*出身大学
神奈川歯科大学
略歴
・1993年 神奈川歯科大学 歯学部
                 日本大学歯学部大学院博士課程修了 歯学博士
・1997年 オリオン歯科医院開院
・2004年 TFTビル オリオンデンタルオフィス開院
・2005年 オリオン歯科 イオン鎌ヶ谷クリニック開院
・2012年 オリオン歯科 飯田橋ファーストビルクリニック開院
・2012年 オリオン歯科 NBFコモディオ汐留クリニック開院
・2015年 オリオン歯科 アトラスブランズタワー三河島クリニック 開院
*略歴
インディアナ大学 JIP-IU 客員教授
・コロンビア大学歯学部インプラント科 客員教授
・コロンビア大学附属病院インプラントセンター 顧問
ICOI(国際口腔インプラント学会)認定医
・アジア太平洋地区副会長
・AIAI(国際口腔インプラント学会)指導医
・UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)インプラントアソシエーションジャパン 理事
・AO(アメリカインプラント学会)インターナショナルメンバー
・AAP(アメリカ歯周病学会)インターナショナルメンバー
・BIOMET 3i インプラントメンター(講師) エクセレントDr.賞受賞
・BioHorizons インプラントメンター(講師)
日本歯科医師会
日本口腔インプラント学会
日本歯周病学会
日本臨床歯周病学会 認定医
ICD 国際歯科学士会日本部会 フェロー
JAID(Japanese Academy for International Dentistry) 常任理事

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