入れ歯・義歯
入れ歯は、患者さまのお口に適している場合にのみ本来の役割を果たします。
調整せずに使用し続けると、噛んだときの力のバランスや口の動かし方に問題が起きて、顎の位置がずれる恐れがあります。その結果、入れ歯がずれたり痛みが起きたりするのです。入れ歯の装着中に痛みがある場合は、原因を突き止めて解消する必要があります。
当院では、噛む力がもっとも強い位置を調べて作製するため、よく噛める入れ歯をご提供できます。また、お口の中を見て立体的に状態を確認すれば、痛みやずれなどがない安定度が高い入れ歯の作製も可能です。
入れ歯を長く使うために
入れ歯を長く使うには、定期的な微調整が必要です。若干のずれや痛みなどが起きないように調整をくり返すことで、お口になじむようになります。
また、最初は硬いものを噛もうとしても痛くて噛めないので、まずは柔らかいものから慣らしてください。
入れ歯が使用しているうちに調整がずれてくるのは自然なことです。長く快適にお使いいただくためにも、定期的に調整にお越しください。
入れ歯の種類
金属床義歯
上顎と密着する床部分に金属を使用している「金属床義歯」は、装着時の違和感が少なく、食べ物の温度が伝わりやすい入れ歯です。
保険の入れ歯は耐久性が低いプラスチック製のため、床にある程度の厚みを持たせる必要があります。しかし、床が厚い入れ歯は装着時の違和感が強く、食べ物の温度がほとんど伝わりません。
金属床義歯は、耐久性に優れた金属を使用するため、床を薄く作製できます。装着感が快適なうえに食べ物の温度が伝わりやすく、食事を楽しんでいただけます。
当院で使用している金属は次の3つです。
コバルトクローム合金
金属床に多く使用される最もスタンダードな素材です。
保険のプラスチックの入れ歯よりも薄く作製できるため、装着時の違和感を抑えられます。
純チタン
コバルトクローム合金と比べて金属アレルギーが起こりにくい素材です。
また、コバルトクロームの金属床よりも軽くて装着感に優れています。
金合金
生体親和性に優れており、修理しやすい素材です。
ただし、貴金属のため、他の素材と比べて料金が高くなります。
マグネットデンチャー
磁力で吸着力を高めた入れ歯です。歯の根の中に磁石に引き寄せられやすい金属を入れて、小型の磁石が埋め込まれた入れ歯を装着します。
磁力によって入れ歯が浮くのを防ぐため、食事や会話のときに入れ歯が外れにくくなります。また、部分入れ歯を固定するためのクラスプ(金属のバネ)を使わないため、口を開けたときに目立ちません。
ただし、適用できるのは根管治療などで神経を取り除いた歯のみです。また、磁気アレルギーがある方には適用できません。
フレキシブルデンチャー
床の部分がプラスチックではなく、熱可塑性(ねつかそせい)ポリアミド(ナイロン)弾性樹脂を使用した入れ歯です。床部分を薄くするほどに弾性が増して固定力が高まります。
クラスプがなくても入れ歯を固定できるため、口を開けたときに目立ちません。また、歯肉の形状にフィットするため、装着時の違和感を大きく抑えることができます。
ミニタルボ
歯を加工して凹部と凸部を組み合わせて固定する入れ歯です。
状態に応じて、多種多様なアタッチメントの中から最適なものを選びます。